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代償行為 [blog]

この blog のプロフィール画像を変更した。まーりゃんキックはそのままだけど、背景のアンプを新作に差替えたわけだ。自作アンプのことなんてのは基本的に出張所に書けばいいわけではあるが、あんまりこういうことをどうせオーディオマニアしか読んでない出張所に書くのもどうかと思われたのでこちらに。こっちを読んでる人は少ないし (笑)。
アンプを作るようになってしみじみ感じたのは、アクセサリー類をこちょこちょ変えるとかなんとかってのは代償行為に過ぎないということだ。電線だのましてインシュレータだのを大枚はたいて交換するより、球アンプのプレート抵抗の値を変えたりカソードのパスコンをつけたり外したりした方が遙かに音が変わる。電気を自分の判断でコントロールすることによって動作条件そのものを操作するんだから当然なんだけど、アクセサリーだのなんだのってのは要するにそれが出来ない、面倒だからやらない人の遊びに過ぎない。
たとえばヒューズのくせに数千円するものが売られてたりする。これ、確かに効果があるのは分かるんだけど(結局買ってるんじゃん)こういうのの購買層って、交流の電気がコンセントから入ってどっちに流れるかも知らない人が多くて、「方向性のあるヒューズ」なんてのをどう装着していいかも分からなかったりする。本当に基本的な電気のことも知らないでオーディオを趣味にするって、結局「買い物」を趣味にしてるってのと同じなんじゃなかろうか。
こういうタイプの人が愛用してるのはアキュフェーズかリンかディナウディオが多いというのが経験的判断なのだが、どれもパッケージとして完成し尽くしていていじる要素がどこにもないってのが共通してるよな。ディナウディオは鳴らしにくい、使いこなしにコツがいるという評判が独り歩きしてるので、「オレはこれを鳴らしてるぜ」という自己満足も得られるって寸法だ。あとは波動系のグッズを使ってるとか、アンプになんでも数十万μFクラスの電解コンデンサを追加するとかスピーカーにタイルを貼るなんてのはキチガイだからほっとくとしても、ミリ単位のセッティングだとかいわれると、人体なんていい加減な存在をまず最初に抹消しなきゃいけないんじゃないかと思えてくるね。
一方で自作にしても、要するに道具を作る楽しさが趣味に含まれるという以上のことではない。にもかかわらず、球アンプ自作派にはさまざまな宗派があって宗教戦争が繰り広げられている。さらにとっくに亡くなったアンプ製作の大家の言葉が勝手に解釈されて、信号はプレートからのみ引き出されなければならずカソードフォロワや SRPP は邪道だとか負帰還はあってはならないとかハンダ付けが美しいのは製作者の心が美しいからだとかいう話になってたりもする。デザインのセンスがまったくないのもこういう人たちには共通している。ま、ラジオや無線機とオーディオアンプを同じ感覚で作ってる人たちだから、回路と工作がきれいならあとは何だって構わないんだろう。音も含めて。
あと、オーディオマニアと音楽についてもいいたいことはたくさんあって、以前「女性ヴォーカル論争」を仕掛けたところ問題の所在すら理解されなくて悲しかった記憶があるが、「私は音楽の感動を引きだすためにオーディオを」云々という人に限って下らない音楽しか聴いてなかったりするんで、そのあたりのことはまた追々。


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